服好きなら読んでおきたい本②『ストリート・トラッド 〜メンズファッションは温故知新〜』

服好きなら読んでおきたい本②『ストリート・トラッド 〜メンズファッションは温故知新〜』

先日紹介した『AMETORA(アメトラ)』に続いて、またまた面白くて勉強になる本を読みました。

佐藤誠二朗さんという方が書いた、『ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新〜』という本です。

タイトルの通り、メンズファッションに特化した内容です。しかも、ストリートで流行したファッションを詳しく書いているので、このブログを運営している僕は絶対に読んでおきたいと思いました。

大まかな内容は、1930年代から現代まで順を追って、その時代に流行したメンズファッションについて書かれています。少しですが、女性のファッションについても書かれているので、ジャンルレス・ジェンダーレス化が進んでいる現在の日本のストリートファッションを好む女性が読んでも楽しめると思います。

また、各項目の扉絵には矢沢あいさんの挿絵が使われていて、それを見るだけでも価値があると思います。

『AMETORA』が日本のファッションの歴史を書いているのに対し、『ストリート・トラッド』は世界的な流行、特に欧米のストリートファッションについて詳しく書かれています。

現在でも馴染みの深い、モッズ、ヒッピー、『AMETORA』にも出てきたプレッピー、アイビー・・・と聞き慣れたものから、全く知らなかったファッションまで時代を追って紹介されていて、とても勉強になりました。

どの時代も、特に1990年代以前までは、国の情勢や経済的環境、流行の音楽、ヨーロッパではサッカーの影響がファッションの流行に色濃く反映されているのがよく分かります。

1930年代から順に現代に近づいていく構成なので、正直なところ、興味のない項目(特に、ヒッピーやゴスの項目)を読み進めていくのは少し苦痛でした。しかし、読み終えた後は、順に読んでいって良かったなと思えました。なぜそう思えたかというと、どの時代のどんなジャンルのファッションも、自分のアイデンティティーを示すための重要なツールであったという事がよく分かったからです。

そういった傾向は現代では薄まってきているかも分かりませんが、ライフスタイルや趣味嗜好が少なからず自分のファッションに反映されているのは、昔も今も変わらないと思います。

最後の方の項目では、裏原系ファッションや、ノームコアファッションまで出てきます。その辺りの流行は自分で実際に目にしているので、とても面白く読めました。

とにかく、たくさんのジャンルの流行ファッションが詳細に書かれているので、普段何気なく自分がしているファッションを当てはめてみるのも面白いかもわかりません。

例えば、「今日の服装はスポーティーなナイロンブルゾンにシルバータブのデニムにスタンスミスだから、1980年代にマンチェスターのサッカー好きの間で流行した『カジュアルズ』的なファッションだな・・・」

なんて考えながら日々のコーディネートを組む行為はまさに温故知新です。

何はともあれ、『AMETORA』の時と同じく、様々な流行を生み出し、現代に繋げてくれたストリートキッズな先人たちに感謝でございます。

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